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J.S.バッハ シンフォニア10番 ト長調 BWV796    2020.12.6UP

3/4拍子 G-Dur

ゆるやかなスケールによる主題が2小節にまたがり、3声それぞれのフレーズの方向と音域の変化・和声の変化によって壮大なドラマが描かれています。

 

スケール部分は上行・下行ともに滑らかに弾くことは基本テクニックとして必須です。

スケール(主題)でない声部は対旋律として和声とリズムの役目を果たすこと、特にノンレガートを安定して弾くための指先と手首と腕にかけてのコントロールが求められます。

音を出すことは簡単ですがそのあたりの鍛錬に時間をかけましょう。

 

音価に対する感覚も常に意識して弾くことが大切です。

長い音と短い音の質量の違い(音は測れないので表現しにくいですが意識として大切)を音色に反映させる感覚を研きましょう。

 

休符のあとに出てくる音をどのようなニュアンスにするか、例えば同じ裏拍でもシンコペーションなら少し目立たせて、16分音符なら他声部の陰から小さく出てくる部分などがあります。

 

とくに難所は8~10・16~19・27~30小節のタイを含めた3声体の弾き分けです。

どの指がどこまで押さえておくか、いつ離鍵するか、をゆっくり確認しながら練習しましょう。

指で繋げられない箇所は極力短くペダルを踏んで繋げることができます。

 

音域にふさわしい音色づくりも忘れずに。

 

明るい・暗い、見せる・隠す、上る・下る、緊張・弛緩…相対するものをバランスよく表現していきましょう。

J.S.バッハ インヴェンション14番 変ロ長調       2019.2.9up

装飾的な音型が多く緩やかな和声進行の優雅な曲です。

フランス風の気品を漂わせて美しく弾きましょう。

両手とも手首を柔軟に使って滑らかな奏法を心がけましょう。

音の上がり下りと、和声進行を考慮して、強弱や音色の変化をつけます。

最初の3小節目までは音域の広がりを感じてゆったり弾きますが、4小節目で低音がなくなるので、左手は軽やかに32分音符を奏でましょう。

5小節目でまた音域が下がりカデンツ(半終止)なので、そこは幅広く響かせましょう。

6小節目の入り口は突っ込まないで落ち着いて1拍目fの音のタッチも大切に弾きましょう。

左手が主題を先行しますが音域的にも左手のわりに高音部になるので奏法に気をつけて音の粒をそろえるように気をつけましょう。

9~11は1小節毎にオクターブ上行があるので付点8分音符は少しだけアクセント気味に響かせて対旋律の32分音符とのハーモニーを大切に。

14~16は、フレーズの最後(16分音符)が上向きか下向きかによって表現の変化をつけましょう。

16からの再現部はストレッタで忙しくなりますが和声の変化やフレーズの動きを大切に、機械的にならないようにしましょう。

19の3・4拍目のカデンツは慌てずに、かといってrit.にもならないように、うまくブレーキをかけましょう。

全体的に、32分音符が続いたあとの16分音符(とくにテーマのモチーフ)が1の指の場合に大きくなってしまったり、または慌てて短めになってしまったりするので気をつけましょう。

Ⅾ.スカルラッティ ソナタK25 嬰へ短調    2020.5.8UP

2/4拍子 fis-moll Allegro

<1~3小節>主音から始まる分散和音がスケール音をなぞりながら1オクターブ上昇し導音(Eis)で属七を経て和声的緊張を迎えたのち下降します。

<4~7小節>左手でテーマの2小節分が奏でられカノンのようですが6小節目で形が変わり、2小節を使って左手がスケールを下降して終止形を作っています。

<8~15小節>左手低音F音と右手高音Fis音が3オクターブの幅を作っているので音色も対比させましょう。

10度の響きあいや和声の方向性にも敏感に対応しましょう。

8・9と10・11、また12・13と14・15はエコーがあるので強弱等で表現を工夫して単調にならないように。